カタドリ代表の増田清香です。
私たちは、マネジメント研修を数多く実施していますが、そこで強く感じることがあります。
それは「多くのマネージャーが苦しんでいる」という現実です。
今回のコラムでは、なぜマネージャーが苦しんでいるのか、そしてその解決策として弊社が提唱する「願いのマネジメント」について、お話ししていきたいと思います。
マネージャーはなぜ苦しむのか
まず基本的な問題から見ていきましょう。
組織目標を達成する、組織を耕すという恒常的なマネジメントの役割と併せて、
多くのマネージャーが直面している課題は、以下のようなものです。
- ハラスメントにならない配慮
- コンプライアンスを守ること
- 部下の労働時間への配慮
- 人材育成の要求
これだけ大変な中で、「結果を出さなければいけない」という重圧。
従来型研修の限界
私自身、以前は「管理職たるものこうあるべき」という役割認識ベースの研修を企画していました。
しかし、たくさんのマネージャーさんに話を聴いていく中で、”べきろん”からくる役割認識偏重の研修に限界を感じるようになりました。
マネージャーたちは決して「苦しい」「もう無理だ」とは言いません。
なぜなら、彼らは責任感の強い、いい人たちだからです。
でも、客観的に見ると、その環境は明らかに過酷すぎる。
この経験から、「この人たちに『ああやれ、こうやれ』なんて言えない」と強く感じるようになりました。
「願いのマネジメント」という新しいアプローチ
そこで私たちが提案するのが「願いのマネジメント」です。
このアプローチには、3つの重要な転換があります。
- 「できないことを克服する」から「自分らしさを活かす」へ
- 「詰め込み型」から「内省型」へ
- 「べき論」から「願い」へ
研修の内容も大きく変わりました。
- どんな人生を歩んできたのか
- 何を大切にしてきたのか
- どういうチームを作りたいか
- 仕事に込める願いは何か
これらの問いを通じて、自分の中にある「願い」を見つけていきます。
「願い」を見つける意味
「願い」と聞くと難しく感じるかもしれません。
しかし、最初は「みんながしっかり休める現場を作りたい」「楽しい雰囲気のチームにしたい」といった素直な思いで十分です。
重要なのは、その願いが本音であること。
上から言われた言葉をそのまま繰り返すのではなく、自分の心からの思いを込めることです。
従来型スキルの位置づけ
ここで「従来のマネジメントスキルは不要なのか?」という疑問が出てくるかもしれません。
答えは「もちろん必要」です。
ただし、それを「ねばならぬ」という文脈ではなく、願いを実現するための手段として捉え直します。
本当に心の底からやりたいことが見つかれば、人は自然とそれを達成するために必要なスキルを探していくと信じています。
今後の展望
正直に申し上げると、この「願いのマネジメント」は、まだ完璧なアプローチではなく、全ての方に響くわけではないのも事実です。
しかし、マネージャーの苦しみを解決する大きな可能性を秘めていると私たちは確信しています。
溺れかけている人に「もっと頑張れ」と言うのではなく、その人の中にある強みと願いを見つけ、それを軸にマネジメントをしていく。
これからの時代に必要なのは、唯一単一のスーパーマン像を強いるマネジメントではなく、一人ひとりの強みや願いに立脚したマネジメントだと信じ、カタドリは日々研修に磨きをかけていっています。
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