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困った部下対応、どうする? ― 異なる視点からの気づき

カタドリ代表の増田清香です。
カタドリの提供する研修は、率直にいうと、”教える”を中心としません。
参加する人が、自分なりの答えを見つけるお手伝いをするような設計が多いです。

他者の視点で考えると見えてくるもの

先日、とある企業で「部下育成研修」を実施した際に行ったワークをご紹介します。

内容はシンプルで、実際に抱えている部下育成の困りごとをケース化し、それを事情を知らない人たちが解決策を考えるというものです。

具体的には、数名のグループで一人の困りごとを具体的に出し、ケースに仕立てる。 
その後グループをかえて、事情を知らない人たち同士で解決策を考える。 
また自分の席に戻って誰かが考えた解決策を改めて検討してみる、という流れです。

実際に受講生さんたちのケースをいくつかご紹介します。

お悩み①:指示したことをやってくれない部下

→ 解決策「業務マニュアルを自分に作らせる」という発想が出て、
依頼者本人も「やってみたい!」と驚いていました。

お悩み②:横柄な態度で好きなことしかやらない部下

→解決策:「この人がいなくても回る組織を作る」という発想に、
ハッとさせられたとの声。

お悩み③:給料分しか働かない嘱託社員

→解決策:「本人を変える」のではなく、「100%やらないことで発生する問題」
への対策を考えるという視点が提示されました。
(具体的には、そのことで他のメンバーにいってしまっている
しわ寄せをどう解消するか、に問題を変える。)

問題の「捉え直し」が解決につながる

ケースの事例を出した方の多くが、自分では想像しなかった解決策が提示されていることにびっくりされ、はっとされていました。そして、それは起こっている問題とは異なる次元での解決策になっていることが多いと私は実感しました。

特に印象的だったのは、ケース③の嘱託社員の例です。

どうやってやりたくない人に100%やってもらうかを一生懸命考えていたわけですが、解決を託された方々は、「そもそもこの人に100%やってもらうのは無理。問題はこの人が100%やらないことでしわ寄せがきていることだよね」と

問題を捉え直しされていました。

アインシュタインも、「いかなる問題も、それが発生したのと同じ次元で解決することは出来ない」と名言を残しています。

まさにこのアインシュタインの名言を実体験したワークでした。

皆さんが職場で抱えておられる部下育成上の悩みも、こうして一度俯瞰して問題をとらえなおしてみると、異なる解決策の案が思い浮かぶかもしれません。

目の前で困っていること、どうやっても解決できない複雑な問題。

その問題を捉えなおすことが有効な手立てになるかもしれません。

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この記事を作成・監修したライター

株式会社カタドリ 代表取締役
増田 清香

南山大学大学院経営学専攻修了。専門は経営行動科学。
約10年にわたり東京・名古屋にて次世代リーダーの育成、社内コミュニケーションデザインの構築、昇格制度の構築などに携わる。その後ベトナムで研修サービスの立ち上げ、シンガポールで人事コンサルティング会社の立ち上げを経験。専門は人材育成、組織開発。
10年間で100社以上の経営課題、人材育成上の課題と向き合う。
コンサルタントとして思考でお客様と向き合うだけでなく、自らもビジネスを作る経験、周囲を巻き込む経験を常に自分に課し続けている。机上の空論ではない、制約条件の中で最大限の効果を発揮できる方法を共に生み出すことを信念とする。

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