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昇進昇格の仕組み作りー「なんとなく」から脱却する3ステップ

カタドリ代表の増田清香です。

私たちは、「昇進昇格のトリセツ」というセミナーを定期的に開催しています。

主に人事担当者の方にご参加いただいているこのセミナーなのですが、皆さんが共通して抱えている課題があります。

それは「マネージャー選抜に確信が持てない」ということです。

今回のコラムでは、どうしたらマネージャーを確信を持って選ぶことができるのかをセミナーの内容をかいつまみながらご説明していきたいと思います。

昇進と昇格、何が違う?

まず基本的なところから。

昇進は、課長になる、部長になるといった「職位が上がっていく」こと。責任範囲が広がることを指します。

昇格は、等級が上がること。もう少しダイレクトに言えば、「(期待役割が変化することによって)給与のレンジが上がること」です。

「入学方式」と「卒業方式」

この区別を理解した上で、次に重要なのが「入学方式」と「卒業方式」という考え方です。

卒業方式は、小学校から中学校に上がるような「ところてん式」。

係長の仕事が全部できるようになったので、次の階層に上がります、という流れです。

入学方式は、大学入試のように「あなたは課長の仕事ができますか?」を問う方式。

期待される役割が遂行できるかどうかを確認してから昇進させるアプローチです。

なぜ選抜に確信が持てないのか

多くの企業が悩んでいるのは、こんな状況です。

  • 10人の候補者から5人の課長を選ぶとき、誰を選べばいいのか分からない
  • 営業成績の良い人、プレイヤーとして成果を出している人があがっていく
  • 上司からの一押しで決まることが多い
  • 「なんとなく良さそう」だけで決まることも…

この根本原因は、課長の理想像が明確でないことにあると私は考えています。

選び方を考える前に、「自社において、課長は何をする人か。」という課長像を明確にしなければ、選抜に確信など持てるはずがありません。

マネージャー「疑似体験」で
組織長としてのマネジメント能力を診断します

ポラリスは、マネジメントの疑似体験を通じてマネージャーの資質・能力を多面的に診断するオンラインサービス。貴社の人事制度・戦略に合わせ、専門コンサルタントが昇進・昇格制度の設計まで一貫してサポートします。客観的データに基づく診断で、「誰を次世代のリーダーに選ぶべきか」が見える化します。

昇進昇格の3つのステップ

私がセミナーでお伝えしているのは、以下の3ステップです。

ステップ1:理想の管理職像を描く
「うちのマネージャーはどのような役割をする人か」を明確にする

ステップ2:構成要素をブレイクダウンする
「チームで成果を出せる人」といった抽象的な要件を、具体的な知識・能力・経験に分解する

ステップ3:測定方法を決める
それぞれの要素をどのような方法で評価するかを設計する

多くの企業は、このステップ1、2を飛ばして、いきなり「どんなテストがいいかな?」「適性検査を使おうか?」「360度評価も必要なのではないか?」などと手法の検討に入ってしまいます。

その結果だけを見ても確信は持てません。

ポラリスが果たす役割

私たちカタドリが開発したマネジメント診断サービス「ポラリス」は、このステップ3の「測定方法」の一つです。

候補者にマネージャーの擬似体験をするテストを受けてもらうことで、その人のどの部分にマネージャーとしての強みがあるのかを客観的にデータとして出すことができます。

ただし、ポラリスだけで選抜が完結するわけではありません。

能力は測定できても、価値観の一致や人間性は別の方法で確認する必要があります。360度評価や面談を組み合わせながら、総合的に判断していくことが重要です。

なので、お客様にポラリスだけを提供するということはなく、ステップ1,2のような部分も一緒に考えていきます。

本音と建前の罠

昇進昇格の仕組み作りで最も注意すべきは「本音と建前の乖離」です。

建前では「変革できる人材が欲しい」と言いながら、実際には営業成績の良い人だけが昇進していく…

これは組織への信頼を失う最も危険なパターンです。

もし短期的な業績を重視せざるを得ない状況なら、それを正直に語るべきです。

「新しいビジネスを考えられる人材は欲しいが、目先の売上も無視できない。ただし、全ての管理職がそういう人材では困る。」

このように現実を踏まえた制度設計をする方が、よほど健全だと思います。

人事の真の役割

「戦略人事」という言葉がよく使われますが、本来人事とはそういうものではないでしょうか。

制度を運用するだけの仕事ではなく、会社がどの方向に向かうのかを見据えて、組織づくりを戦略的に考える

これが人事の本質的な役割だと思います。

そのためには、人事担当者が社長と密にコミュニケーションを取り、会社の方針やビジネスの方向性を深く理解していることが不可欠です。

最後に

昇進昇格の仕組み作りに正解はありません。

全員に「いいね」と言ってもらえる制度など存在しないのです。

だからこそ、自社の状況と目指す方向性に基づいて、確信を持って選択していく必要があります。

「なんとなく」の選抜から脱却し、説明責任を果たせる仕組みを作ること。

それが、働く人々の納得感を高め、組織全体の成長につながっていくのだと信じています。

  • 昇進昇格のトリセツセミナーはオンラインで定期的に行なっております。
    セミナー情報の中からご覧いただけます
  • オンラインマネジメント診断サービス「ポラリス」 はこちら

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この記事を作成・監修したライター

株式会社カタドリ 代表取締役
増田 清香

南山大学大学院経営学専攻修了。専門は経営行動科学。
約10年にわたり東京・名古屋にて次世代リーダーの育成、社内コミュニケーションデザインの構築、昇格制度の構築などに携わる。その後ベトナムで研修サービスの立ち上げ、シンガポールで人事コンサルティング会社の立ち上げを経験。専門は人材育成、組織開発。
10年間で100社以上の経営課題、人材育成上の課題と向き合う。
コンサルタントとして思考でお客様と向き合うだけでなく、自らもビジネスを作る経験、周囲を巻き込む経験を常に自分に課し続けている。机上の空論ではない、制約条件の中で最大限の効果を発揮できる方法を共に生み出すことを信念とする。

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