menu

close

「マネジメント能力の”健康診断”」からはじめる管理職の育成

マネージャー「疑似体験」で
組織長としてのマネジメント能力を診断します

ポラリスは、マネジメントの疑似体験を通じてマネージャーの資質・能力を多面的に診断するオンラインサービス。貴社の人事制度・戦略に合わせ、専門コンサルタントが昇進・昇格制度の設計まで一貫してサポートします。客観的データに基づく診断で、「誰を次世代のリーダーに選ぶべきか」が見える化します。

選抜ではなく、育成が求められる現場

従業員が数百人規模の企業では、管理職の育成において大企業とは全く異なる課題に直面します。

それは、「選ぶ」のではなく「育てる」しかないという現実です。

大企業であれば、100人の候補者から30人を選抜する際の「いかにして選抜するか」の発想が必要です。一方で、候補者が4人しかいない会社ではとてもそんなことはできません。

例えば、従業員250人、管理職15人の会社を想像してみてください。

次の管理職候補は、4名。
この4人を、確実に管理職として育てていく。
それが大きな経営課題の一つとなります。

一人ひとりが違うという当たり前

当然ですが、一人ひとりはそれぞれ全く違います。

  • Aさん:経理部で、数字を使った分析や計画立案は得意。
        一人で仕事をすることが多く、周囲を巻き込んだ経験は少ない。 
  • Bさん:製造部で、現場のメンバーをまとめ上げる力は抜群。
        ただし、新しいことを考えたり、未来を描いたりする経験はあまりない。

職種も経験も性格も違う。

それなのに、「管理職研修」という名の画一的なプログラムを受けさせて終わり、
というのでは意味がありません。

一人ひとりに必要な育成は何か。

その人の強みをどう生かし、どこを補うべきか。

それを明確にすることが、まず必要となります。

仕事の「プロセス」は見えない

ここで難しいのは、仕事のプロセスは目に見えないということです。

私たちは普段、結果だけを見て判断しがちです。
「あの人は仕事ができる」「あの人は仕事が遅い」といったように。

しかしながら、その人がどのような優先順位で仕事をしているのか、何に時間を使っているのか、どういった思考で判断しているのか、といったプロセスは外から見ることはできません。

自分自身でさえ、仕事の仕方を棚卸しすることは少ないのではないでしょうか。

  • 毎朝業務開始の際、溜まったメールを処理する際、どのような優先順位で返信しているか
  • 重たい仕事から手をつけるのか、まずは軽い仕事から着手するか
  • 新しい課題に直面した時、どう考え、誰に相談するのか

こうしたプロセスにこそ、その人の「マネジメント」が表れます。

マネジメント能力の「健康診断」という発想

年に一回、体の健康診断を受けている人は多いでしょう。
血圧、コレステロール、血糖値…。
数値として可視化されることで、「運動しないと」「食生活を見直そう」と気づくことができます。

同じように、マネジメント能力にも健康診断があっていい

自身の仕事の仕方を客観的に見つめ直し、得意(自身の持ち味)と苦手(成長ポイント)を明確にする。
そして、それをもとに今後のマネジメント強化策を立てていく。これが、限られた管理職候補を確実に育てるための第一歩です。

マネージャーに求められる能力とは

では、そもそもマネージャーには何が求められるのでしょうか。

大きく以下のような役割があると考えています。

  • 上位方針を読み解き、自分の組織が何をすべきかを咀嚼する
  • 上位方針と、足元にある自組織の現状を踏まえ、やるべきことに優先順位をつける
  • 部下を育て、継続的に成果が出る組織を作る
  • 自分自身が変化し、権限移譲を進めていく

これらの役割を支えるのが、マネジメント能力です。

具体的には、私たちはマネジメントに以下のような能力が必要だと考えています。

能力要件 定義
思考 1 変革・創造力 新しいものを生み出せる力
2 未来構想力 未来の姿を自らの想いを込めて描ける力
3 現状認識力 フロー情報もストック情報も同様に正しく現状を認識できる力
4 課題設定力 描いた未来の姿にむけて現状から階段を作る力
5 問題解決力 起こった問題についてその原因を見つけ出し、対処するだけでなく抜本的な解決策を導ける力
6 成果担保力
(実行力)
他者に依頼した業務についても自身の期待する成果を創出できる力
対人 7 共感する力 言語表現を超えて相手の気持ちや言わんとすることをキャッチできる力
8 伝達力 自身のやりたいこと、言いたいことを相手に届く形にして適切に伝えられる力
9 巻き込む力 自身の思い描く未来に向けて他者を鼓舞できる力
10 人材育成力 業務指導を超えて自身の後釜を育てられる力
11 しなやかさ ブレない自己の軸を有しつつも状況に応じて柔軟に対応できる
12 他者尊重 常に相手の立場にたって物事を考えられる。自身と異なる考え方、背景を持った他者とも友好な関係を築くことができる
13 素直・自己認識 自身の持ち味や弱み、行動や思考のパターンを把握し、それを基に自らを省みることができる。他者からのフィードバックやアドバイスを積極的に受け入れ活用できる
14 当事者意識 他責にせず、何事も自分事として捉え物事に向かうことができる
15 決断力 不確実な状況、不足する情報下であっても果断に判断し決める胆力

すべてを完璧に持っている人はいません。
だからこそ、一人ひとりの強みと成長ポイントを明確にすることが肝要です。

マネージャー「疑似体験」で
組織長としてのマネジメント能力を診断します

ポラリスは、マネジメントの疑似体験を通じてマネージャーの資質・能力を多面的に診断するオンラインサービス。貴社の人事制度・戦略に合わせ、専門コンサルタントが昇進・昇格制度の設計まで一貫してサポートします。客観的データに基づく診断で、「誰を次世代のリーダーに選ぶべきか」が見える化します。

「能力がない」のか「機会がなかった」のか

ここで大切なのは、「能力が低い」ことの意味を正しく理解することです。

例えばBさんは、「未来構想力」が低く、「課題設定力」が高かったとします。

課題設定力が高いということは、あるべき姿と現状のギャップを埋める階段を
作ることが得意ということです。
”あるべき姿と現状のギャップから課題を作ることはできるのに、未来を描く力は低い。”
という現状は、能力がないのではなく、未来を描く機会を与えられてこなかっただけかも
しれません。

そうだとすると、Bさんには今後「あるべき姿を自分で設定してみる(未来を自分で描いてみる)」経験を与えることで、マネージャーとしての幅が大きく広がる可能性があります。

逆に、もし本当に「持っていない」能力だとしたら、無理に伸ばそうとするのではなく、未来構想が得意な上司や部下と組ませるといった布陣を考える方が現実的です。

年齢によって、育成の考え方も変わる

もう一つ、忘れてはいけない視点があります。

それは、年齢によって能力開発の可能性が変わる
という観点です。

20代、30代であれば、未経験の領域でも、
その場に置かれることで能力を広げていける
柔軟性と可能性が高いです。

一方で、40代、50代になると、若い時のように
柔軟に仕事の仕方を変えたり、変化できなくなっていきます。それは自身の仕事の仕方が
確立されている、とも言えます。

得意技と不得意技が明確になっている
とも言い換えることができるでしょう。

だからこそ、年齢があがればあがるほど、不得意な領域に無理やり配置するよりも、
エッジの尖った強みで勝負してもらう方が現実的。

バランス型を目指すのではなく、強みを最大限に生かす。

これが、中小企業における管理職育成の鍵だと思います。

健康診断の後が本番

健康診断を受けて、「コレステロールが高い」と指摘されたら、食生活を見直したり運動を始めたりと
何かしら生活習慣を変えようとチャレンジされる方が多いと推察します。

マネジメント能力の健康診断も同じです。

診断結果を基に、対象者をどのように育てるか、活かし方を考えるフェーズに入ります。

具体的には、以下のようなことを考えていく必要があります。

1. 能力開発の計画を立てる

前出のBさん。未来構想力を高めるために、どのような経験を付与するのがよいでしょうか。

例えば、

  • 人事制度を作るプロジェクトにアサインする
  • 中期計画を考えるチームを任せる
  • 子会社の部長に任命する

こうした「未来を考える場」を意図的に経験することで、能力を磨いていきます。

研修や本を読むことも大切ですが、大人の能力開発において最も重要なのは経験です。
会社として、どんな経験を付与できるかを考えることが、人事の腕の見せどころです。

2. 布陣を考える

すべての能力を均等に伸ばす必要はありません。

むしろ、その人の持ち味を活かし、弱みは他の人で補うという発想も重要です。

 Bさんの未来構想力が伸びにくい場合は、未来構想が得意な部下と組ませる。
あるいは、現状認識や課題設定が得意なBさんには、「描かれた未来」を
実現する役割を担ってもらう。

こうした布陣を考えることで、組織全体として成果を出していくことができます。

3. 上司の関わり方も設計する

部下の能力開発において、上司の役割は非常に大きいものです。

例えば、Bさんの未来構想力を高めるために上司ができることとして、

  • 未来を描く機会を意図的に与える
  • 多様な視点で未来を考える場を作る
  • 未来を考える価値を伝える
  • 忙しすぎる状態を作らず、余白を与える

といった具体的な行動が考えられます。

部下に「未来構想力を高めてください」と言うだけでは、本人も上司も困ってしまいます。
具体的にどう関わるかまで設計することが大切です。

マネージャー「疑似体験」で
組織長としてのマネジメント能力を診断します

ポラリスは、マネジメントの疑似体験を通じてマネージャーの資質・能力を多面的に診断するオンラインサービス。貴社の人事制度・戦略に合わせ、専門コンサルタントが昇進・昇格制度の設計まで一貫してサポートします。客観的データに基づく診断で、「誰を次世代のリーダーに選ぶべきか」が見える化します。

健康診断ツールとしても使える、ポラリス

こうした考え方をもとに、弊社では「ポラリス」というマネジメント診断サービスを提供しています。

ポラリスは、オンライン上でマネジメントを疑似体験してもらうものです。
前任者が残した大量のメールを受け取り、どう優先順位をつけ、どう判断し、
どう周囲を巻き込むための差配を行うか。

その行動から、先ほどお話しした各能力を診断し、能力開発のためのレポートとして提供します。

※レポートの一部

ポラリスは単なる診断ツールではありません。

健康診断をして終わりではなく、その結果をどう活用するか、どう育成計画に落とし込むかまで、
私たちは一緒に考えていきます。

特に、中小の企業では、管理職候補が限られています。
その一人ひとりを確実に育て、組織全体として成果を出していくための布陣を作る。

そのために、ポラリスという健康診断を活用していただいています。

数値の裏にある「人間の目」

ポラリスの特徴の一つは、
最終的なレポートの作成を私たちが一つひとつ手作業で行っている
ことです。

数値だけを見るのではなく、この人のマネジメント能力全体を引き上げるレバレッジが
どこにあるのかを探ります。

お客様からは「どうしてそんなに分かるんですか?」と驚かれることもあります。
実際にその人と会ったこともないのに、レポートを見て「部下そのものです」と
感想を述べられることも多いです。

ただし、
ポラリスで測ることができるのは「能力」です。

普段の仕事では、能力だけでなく、人間関係や価値観、周囲を生かす力なども影響します。

だからこそ、ポラリスの結果だけで判断するのではなく、多面的な側面から総合的に見ていくことが大切だと考えています。

最後に

管理職候補が限られている中小企業では、一人ひとりを確実に育てることが何より重要です。

そのためには、まずその人の強みと成長ポイントを明確にすること。
そして、どんな経験をさせ、どんな布陣で生かすかを戦略的に考えること。

マネジメント能力の健康診断という発想が、その第一歩になると信じています。

もし、
「うちの管理職候補をどう育てたらいいか分からない」
「一人ひとりの強みと課題を明確にしたい」
とお考えでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

・マネジメント診断サービス「ポラリス」についてはこちら

マネージャー「疑似体験」で
組織長としてのマネジメント能力を診断します

ポラリスは、マネジメントの疑似体験を通じてマネージャーの資質・能力を多面的に診断するオンラインサービス。貴社の人事制度・戦略に合わせ、専門コンサルタントが昇進・昇格制度の設計まで一貫してサポートします。客観的データに基づく診断で、「誰を次世代のリーダーに選ぶべきか」が見える化します。

この記事を作成・監修したライター

株式会社カタドリ 代表取締役
増田 清香

南山大学大学院経営学専攻修了。専門は経営行動科学。
約10年にわたり東京・名古屋にて次世代リーダーの育成、社内コミュニケーションデザインの構築、昇格制度の構築などに携わる。その後ベトナムで研修サービスの立ち上げ、シンガポールで人事コンサルティング会社の立ち上げを経験。専門は人材育成、組織開発。
10年間で100社以上の経営課題、人材育成上の課題と向き合う。
コンサルタントとして思考でお客様と向き合うだけでなく、自らもビジネスを作る経験、周囲を巻き込む経験を常に自分に課し続けている。机上の空論ではない、制約条件の中で最大限の効果を発揮できる方法を共に生み出すことを信念とする。

体験型マネジメント能力診断ツール「ポラリス」

今なら 1社につき 2名まで
全機能無料!