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ポラリスレポートを具体例を通して読み解く—北斗太郎さんの場合

カタドリ代表の増田清香です。

前回のコラムでは、マネジメント能力の「健康診断」という考え方についてお話ししました。

今回は、その健康診断の結果であるポラリスのレポートを、実際にどう読み解いていくのかについて、具体例を交えながらお伝えします。

マネージャー「疑似体験」で
組織長としてのマネジメント能力を診断します

ポラリスは、マネジメントの疑似体験を通じてマネージャーの資質・能力を多面的に診断するオンラインサービス。貴社の人事制度・戦略に合わせ、専門コンサルタントが昇進・昇格制度の設計まで一貫してサポートします。客観的データに基づく診断で、「誰を次世代のリーダーに選ぶべきか」が見える化します。

ポラリスのレポートで何がわかるのか

ポラリスのレポートには、大きく分けて以下の要素が含まれています。

1. 能力要件ごとの評価

マネージャーに求められる13の能力要件について、それぞれ5段階で評価します。

なお、評定は相対評価ではなく、絶対評価で行います。
他の人と比べてどうかではなく、その人自身がどの程度その能力を持っているかを測定しています。

2. 持ち味

マネージャーとして組織を率いる際に発揮される強みを示しています。
相対評価ではなく、個々人が持つ特性の中で、特に強みとして活かせる能力を選定しています。

3. 成長ポイント

受検者一人ひとりが、その人らしい”持ち味のマネジメント”を発揮していくために、まず取り組んだ方が良い補完強化のポイントです。

簡単に言えば、レバレッジが効くところです。

必ずしも評価が一番低いところを指摘するわけではありません。
受検者がマネジメントをしていく際、この点を補強したらさらに成果が出せるという項目を指摘しています。

4. マネジメントシミュレーションの様子

ポラリスでは、「実際にマネージャーになったらどんなことが起こるのか」を体験します。

その中で、状況をどう把握し、どんな行動を取るのか -その“反応”をもとに評価を行います。

レポートには、以下のように実際に受検者が行った行動を記載しています。。

  • 全てのメールに対応したのか
  • どこから対応したのか(優先順位のつけ方)
  • 最初に着手したのは何か
  • 特徴的な言動は何か

これは、本人が受検から時間が経ち忘れてしまった際に思い出してもらうためであり、
上司や人事が結果だけでなくプロセスを知るためでもあります。

5. 持ち味の解説

その人のマネジメント上の持ち味について、具体的に解説しています。

6. 大切にする価値観

ポラリス上で受検者が行う「リーダーとして大切にする価値観診断」を基に、
受検者がリーダーとして大切にしている価値観が記載されます。

7. 今後の能力開発に向けたアドバイス

マネージャーとして成果を出していくために、今後どのようなことに取り組んだ方が良いかについてできるだけ具体的にコメントしています。
このコメントを含め、レポートは受検者一人ひとりにむけて人間が書き下ろしで作成しています。

8. 能力開発のガイド

成長ポイントとしてつけた能力について、どうやって高めればいいのかを具体的に記載しています。

レポートの読み方で大切なこと

ここで重要なのは、前述した能力ごとの評価は点数ついているものの、総合点数で判断しないほうがよいということです。

ポラリスは、バランス型の人材を育てるためのものではありません。
むしろ、エッジの効いた強み(ポラリスでは持ち味と読んでいます)で勝負するために、自分の持ち味と成長ポイントを知り、それを自覚的に強めていくのがよい、と考えています。

ですから、評点が低いところを「弱み」として一律に改善しようとするのではなく、

  • 受検者の持ち味は何か
  • その持ち味を生かすために、何を補強すればいいのか

という視点で読み解いていくことが大切です。

実際のレポートを読み解いてみる(北斗太郎さんの場合)

では、実際のレポートを見ながら、どう読み解いていくのか事例をご案内します。

今回は「北斗太郎さん」という架空の方のレポートを例にしてみます。

北斗さんの評点の見方

北斗さんの評点は以下の通りです。

北斗さんの持ち味
北斗さんの持ち味は、課題設定力成果担保力です。

課題設定力とは、「描いた未来の姿に向けて現状から階段を作る力」です。
北斗さんは、あるべき姿と現状のギャップを把握し、そこに至るまでの具体的なステップを設計できる。

成果担保力とは、「他者に依頼した業務についても自身の期待する成果を創出できる力」です。
つまり、自分だけでなく、人を介して成果を出すために求められる、依頼力が高いのが北斗さんです。

この2つから見えてくるのは、北斗さんは既に「実行力の高いマネージャー」である可能性が高いということです。

やるべきことを明確にし、それを周囲に適切に指示して、確実に成果を出していく。
そういうタイプのマネージャーとして力を発揮できる方だと考えられます。

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なぜ未来構想力が成長ポイントなのか

ここで注目したいのは、未来構想力が成長ポイントになっているということです。

未来構想力の評点は「2」です。
変革・創造力も同じく「2」ですが、ここには星がついていません。

まさにこれが、弱みではなく受検者の持ち味を引き出すアセスメントである、特徴です。

課題設定力が高いということは、「あるべき姿と現状のギャップを埋める階段を作ることが得意だ」と言えます。
一方で北斗さんは、体験シミュレーションの中で「階段を作る」ことは得意でしたが、そもそもの“ありたい姿”を自分で描くことはほぼありませんでした

おそらく北斗さんは、これまで上位方針として降りてきた目標に対して、それを実現するための道筋を作ることを求められてきたのでしょう。
そして、それを非常に上手くやってきた。

しかしながら、これから先マネージャーとして組織を率いていくためには、自分で未来を描くことが何より重要になってきます。

だからこそ、未来構想力が成長ポイントなのです。

能力がないのではなく、やってこなかっただけ。
これから経験を積むことで、十分に伸ばせる可能性があります。

変革・創造力に星がつかない理由

一方で、変革・創造力は同じく「2」ですが、成長ポイントにはなっていません。

変革・創造力とは、「新しいものを生み出せる力」です。

これは、未来構想力とは少し性質が異なります。

未来構想力は「未来の姿を描く」ことですが、変革・創造力は「今までにないものを生み出す」ことです。

北斗さんの場合、課題設定力と成果担保力が高いということは、既存の枠組みの中で最適な道筋を作り、実行していくことが得意だと推察できます。

ゼロから何かを生み出すよりも、目指すべき方向が見えている中で、それを実現していくことに強みがある(現状は)。

だとしたら、無理に変革・創造力を高めようとするよりも、まずは未来構想が得意な人と組むという布陣を考える方が現実的かもしれません。

あるいは、北斗さんには「描かれた未来を実現する」役割を担ってもらい、未来を描くのは別の人に任せるという選択肢もあります。

そういった意味で、変革・創造力よりも未来構想力を成長ポイントとして指摘しました。

数値の裏にある「その人らしさ」

このように、ポラリスのレポートは単なる数値の羅列ではありません。

数値の組み合わせから、その人がどういうマネジメントをする人なのかを浮かび上がらせていくことができます。

そのために、弊社では一つひとつのレポートを書き下ろしで作成しています。

数値だけを見るのではなく、

  • 受検者の持ち味は何か
  • その持ち味を生かすために、何を補強すればレバレッジが効くのか
  • 受検者はこれまで、どのような経験を積んできたのか
  • 何を行動の原動力にしているのか
  • これから先、どういう経験をすることで能力伸張が期待できそうか

といったことを考えながら、レポートを作成しています。

最後に

ポラリスのレポートは、点数で人を測るものではありません

数値の向こうにある“その人らしさ”を見つめるための道具です。

そんな視点を、今回の事例を通して少しでも感じていただけたなら嬉しく思います。

一人ひとりの持ち味を生かし、組織全体として成果を出していく。
そのために、ポラリスを活用していただければと思います。

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・マネジメント診断サービス「ポラリス」についてはこちら

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この記事を作成・監修したライター

株式会社カタドリ 代表取締役
増田 清香

南山大学大学院経営学専攻修了。専門は経営行動科学。
約10年にわたり東京・名古屋にて次世代リーダーの育成、社内コミュニケーションデザインの構築、昇格制度の構築などに携わる。その後ベトナムで研修サービスの立ち上げ、シンガポールで人事コンサルティング会社の立ち上げを経験。専門は人材育成、組織開発。
10年間で100社以上の経営課題、人材育成上の課題と向き合う。
コンサルタントとして思考でお客様と向き合うだけでなく、自らもビジネスを作る経験、周囲を巻き込む経験を常に自分に課し続けている。机上の空論ではない、制約条件の中で最大限の効果を発揮できる方法を共に生み出すことを信念とする。

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